【メーカー技術者必修】知財検定3級のメリットや独学での勉強法・勉強時間を紹介します

6 min

先日、知的財産管理技能検定3級に合格しました。

『知的財産管理技能検定』は何やら難しそうな試験に聞こえますが、ニュースなどで耳にする

  • 特許
  • 著作権
  • 商標

などに関する国家資格です。

資格そのものを生かせる機会は少ないのですが、勉強しておいて損はありません。

当時メーカーの機械設計エンジニアだった私は、特許の出願意識が高まったり、知財部の方の話をすんなり理解できるようになったりと、メリットをかなり感じていました。

特にメーカー勤務の技術者は知っておくべき内容ですので、ご参考いただければと思います。

知的財産管理技能検定とは?

そもそも『知的財産』とは何でしょうか?

特許庁のページには以下のように書かれています。

人間の幅広い知的創造活動の成果について、その創作者に一定期間の権利保護を与えるようにしたのが知的財産権制度です。知的財産権は、様々な法律で保護されています。

知的財産権について|特許庁

簡単に言うと、頑張って作った人が報われるように権利を与えようというものです。

もし特許制度がなかったら…
  • トヨタの車を買って分解し、そのままコピーして作られる。
  • 製薬会社が長い時間をかけて新しいガンの特効薬を開発したとしても、すぐ他社にコピーされる。

新しいモノの開発には、多額の費用がかかります。

そのためコピーされると、膨大な費用をかけた成果にただ乗りされることに。

するとコスト面で非常に不利になり、開発した企業よりもコピーした企業の方が低コストで販売できることになるので、

こんなの先に開発するだけ損だよ…。

企業の開発者

企業の開発者

誰も新しいものを作らないという事態に陥り、産業の発達が阻害されてしまうわけです。

実際には、見ただけでは簡単にコピーできなかったり、大企業の方が規模の原理が働き安く作れたりもするのですが、イメージはこんな感じかと。

そこで知的財産権制度により、先に作った人に権利を与えて創造活動を活発にさせることにしたのです。

知的財産の項目としては

  • 特許権
  • 実用新案権
  • 著作権
  • 商標権
  • 意匠権

などがあり、これらの知識を有するかを試す試験が知的財産管理技能検定となります。

それでは、ここからは取得のメリットを詳しく見ていきましょう。

もる

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知財検定を取得するメリットは?

知財検定の公式サイトには、取得メリットについて以下のように書かれています。

・知財マネジメントスキルの習得レベルを公的に証明できます。
・組織の知財マネジメント能力の向上につながります。
・知財に関するコミュニケーション能力が高まります。

資格取得のメリット|知財協会

・・・正直「なんのこっちゃ」といった感じですよね。

これをかみ砕いたうえで、実際に資格を取得した私が感じるメリットは以下の二つです。

特許の理解度が高まって開発業務で生きる

一つ目は、特許の理解が深まり、開発業務に生きることです。

資格には『業務独占資格』という、所有者だけが独占的に業務をおこなえる資格があります。

業務独占資格の例
  • 医師
  • 薬剤師
  • 看護師
  • 弁護士
  • 弁理士

知財検定はこのような業務独占資格ではなく、FP・簿記・TOEICなどのように自分の知識やスキルをアピールできる資格という位置づけです。

その中でも知財検定は知名度も低く、評価されることはあまりありません。

しかし、業務ではかなり役立っています。

私はメーカーでの開発業務の中で、他社特許の確認や、新開発品の特許出願をしています。

そういった時に

  • いつまでに特許を出すべきか
  • 海外に出願したい場合はどうすべきか
  • どういった時に特許が無効になるか

などを理解していると、役立つんですよね。

特許への感度が上がり、「今度はどんな特許を出してやろう」とモチベーションにも繋がります。

知財部に相談する際も、こういった知識があると話がスムーズです。

メーカー技術者に必須の知識だと思ってます。

もる

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知的財産に関する教養が身につく

『知的財産』にピンと来なくても、『著作権』や『特許』はニュースで聞いたりしますよね。

知財検定3級の内容を勉強すると

  • 昔の名画や映画の著作権ってどうなってるの?
  • ネット上のフリー画像の著作権って?
  • 知らない人が写り込んだ写真をSNSにアップするのって、問題ないのかな?
  • マリカーの名前を勝手に使って任天堂から訴えられた企業は何が問題だったの?

こういったことが分かるようになり、どや顔で周りに説明できちゃいます。

とくに著作権や商標の問題は日常生活でも直面することが多いので、知財の知識を身につけると結構面白いですよ。

知財検定3級の詳細と難易度

ここからは知財検定について詳しく解説していきます。

知財検定3級ってどんな試験?

知財検定3級の詳細は、以下のとおりです。

試験の種類試験形式問題数試験時間合格基準受験料
学科試験筆記試験(マークシート3択)30問45分70%以上5,500円
実技試験筆記試験(記述式)30問45分70%以上5,500円

実技は記述式となっていますが、語句一覧から選んで書くような形式なので、実質マークシート式と変わりません

試験時間は45分に対し、問題数は30問。

覚えているかどうかを問う問題ばかりなので、時間が足りなくなることはほぼありません。

実際私も、学科試験・実技試験ともに15分ほど時間が余りました。

ただ上の表の通り、受験料がめちゃくちゃ高いです。

3級を受けるのに、なんと計11,000円もかかるんですよね。

ここが唯一のデメリットかと。

もる

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知財検定3級の『知識』はメーカー技術者に必須だと思うものの、『資格自体』は必要だと思いません。

検定料が気になる方は、テキストを買って勉強するだけでも充分だと思います。

私のように資格取得がモチベーションになる方は、サクッと取ってしまいましょう。

知財検定3級の難易度や合格率は?

試験は毎年3月、7月、11月の年3回実施され、過去の合格率は以下の通りです。

2022年3月2021年11月2021年7月2021年3月2020年11月2020年7月
学科試験68%71%61%62%68%66%
実技試験71%65%68%74%65%69%
知財検定実施データ|知財協会

おおよそ60~70%程度の合格率となっています。

過去数年の受験者は2,000人ほどですので、その中で1,400人が受かるようなイメージです。

合格率70%は資格試験としてはかなり難易度が低いため、しっかり時間を確保して勉強すれば問題なく合格できます。

参考までに、他の資格試験の合格率は以下の通りです。

  • FP3級 ⇒ 70%
  • 簿記3級 ⇒ 50%
  • 簿記2級 ⇒ 20%

これらと比較しても、難易度は高くないことが分かるかと思います。

知財検定3級のおすすめ勉強法と必要な勉強時間

ここからは知財検定3級の勉強法を紹介します。

独学でのおすすめの勉強法は?

私は以下の流れで勉強しました。

私の独学での勉強法
  • 公式テキストと問題集を買って
  • 公式テキストを全部読んで
  • 問題集をひととおり解いて
  • 分からなかった分野を復習して
  • 過去問を解く

かなり一般的な勉強法ですが、万人におすすめできる勉強法だと思いました。

もう少しくわしく紹介していきます。

試験1か月前(勉強時間:5時間)

公式テキストを購入して半日かけて一通り読みました。

試験まで日はあるので、とりあえずどんなものかという概要を知った感じです。

『特許』『商標』『著作権』の「へぇ〜」となるような雑学を知れて、テキストを読むだけでも面白かったです。

試験1週間前~前々日(8時間)

分野ごとに『テキストを読む ⇒ 問題集を解く』を繰り返していき、テキストと問題集を一周しました。

この時、配点の高い特許法や著作権法に優先して取り組むようにしました。

テキストは要所が抑えられ、問題集には詳しい回答もあったので、勉強しやすかったです。

試験前日~当日(7時間)

間違えた問題の復習をしつつ、公式サイトでダウンロードできる過去問を解きました。

公式サイトで無料で過去問をダウンロードできるので、積極的に使いましょう。

↑ここ、めちゃくちゃ重要です。

この時点で正答率は7割を超えていたので、一安心。

あとは自分の苦手な分野をテキストでさっと読んで復習し、いざ試験!

問題用紙に答えをメモして、自己採点できるようにしましょう。

もる

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知財検定3級のおすすめテキストは?

各社さまざまな教材を出していますが、王道は公式テキストと公式問題集です。

絶対にこれ!というわけではありませんが、勉強しやすかったしおすすめです。

分野ごとに『テキストを読む⇒問題を解く』で問題なく合格できます。

ちなみに公式テキストは、毎年改訂版が出されています。

最新の法令に基づいて問題が用意されるため、古すぎるテキストは避けた方が良いと思います。

ここからはちょっとしたテクニックの紹介ですが、、

私は最新テキストを購入し、自己採点後に合格を確認したら、すぐにメルカリで売りました。

最新版であればニーズも高く、買値の7~8割で売れるので、この方法はかなりおすすめです。

私も7割ほどの価格にしたら、すぐに売れました。

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時間が経つほど売れづらくなるので、すぐに売ってしまうのがコツです。

勉強時間は30時間、2週間ほどあればOK

勉強時間について、私はおおよそ20時間で合格できました。

参考までに、筆者の属性は以下の通りです。

  • メーカー機械設計エンジニア
  • 特許出願経験あり
  • 資格取得が好き

私のように、勉強が好きな方や予備知識がある方は、20時間以下でも充分合格できます。

初見の方なら、30時間ほどを見ておけば良いかな?という感覚です。

試験1か月前にテキストを読んでみて…

  • 難しく感じたら、そこから継続的に勉強
  • いけそうだと思ったら、1~2週間前から勉強

という方針が良いかと。

事前に過去問を解き、70%得点できるようしっかり勉強しましょう!

知財検定3級の受験後の流れ

知財検定3級の受験後は、解答速報を公開しているサイトがあるので、当日中に自己採点をします。

合格していたら、メルカリでテキストを出品しましょう。

また試験から2ヶ月ほどで、正式な合格通知が届きます。 

無事90%以上を得点し、合格できました!

あわせて合格証書も送られます。

簡単な試験でも、こうやって合格証書が届くと嬉しいですね!

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知財検定3級は教養としておすすめの資格

知財検定3級まとめ
  • 知財検定3級は社会人の教養としておすすめ
  • 教材は公式テキスト公式問題集で十分
  • 独学で~30時間ほどの勉強で合格可能
  • ただし受験料は高額

資格試験は良いアウトプットになるため、インプットだけの勉強よりも定着しやすいです。

そういう意味で、簿記やFPに並び、 教養として取得しておくべきおすすめの資格だと私は考えています。

30時間ほどの勉強で合格可能ですし、「知的財産って面白そうだな」と感じたら、ぜひ取得に挑戦してみて下さい。

▼2級も検討している方はこちらをどうぞ

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知財に救われた元機械エンジニア。仕事に悩む機械エンジニアに、知財キャリアを伝えたくて記事を書き始めました。

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