【超苦戦】弁理士試験の”学位に基づく”論文選択科目免除の注意点を解説

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2022年5月の弁理士試験に向け、論文選択科目免除の申請を完了しました。

調べてもあまり情報が出てこない&周りに聞ける人もおらず

これで合っているのだろうか…

もる

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と思いながら手続きを進め、無事に免除認定されましたが、結構大変でした。

手間取ったところや注意点などを備忘録として本記事にまとめたので、今後弁理士受験を考えている方の参考になれば嬉しいです。

特に学位論文概要証明書に苦労したので、その辺りは厚めに解説しています。

今回紹介するのは”学位に基づく”論文選択科目です。その他の免除申請方法は網羅できていないので、ご承知おきください。

免除申請の締切日はいつ?

まず気をつけたいのが締切日です。

その年の弁理士試験に間に合わせるには2月末までの申請が必要なので、早めに動くようにしましょう。

私は申請が2月になってしまったので、締切日をかなり気にしていました。

受付期間:通年受け付けています。ただし、弁理士試験を受験する年の免除認定の申請期限は、同年の試験公告で指定する日(例年2月末日)までです。

選択科目免除について|特許庁

特許庁にはこのように記載されているのですが、、『2月末日』と言われても末日”発送”で良いのか”必着”なのかが分からず。

さらには『例年』という言葉にも若干不安が残ります。(今年は少し早まりました、だと目も当てられない)

そこで試験公告を見ると、知りたかった情報が。

※2 上記6. の一及び二について、令和4年度弁理士試験に適用される選択科目免除 資格認定申請及び選択科目免除資格仮認定申請の締切日は、令和4年2月28日(月曜日)とする(消印有効)。

令和4年度弁理士試験公告|特許庁

『消印有効』はその日付の配達受付の消印が押されていれば良い、という意味なので、2/28発送までOKなことが分かりました。

ただしポスト投函の場合、その日の集荷が終わっていると受付されないので、締切日の郵便局が閉まるまでに直接持参し、受付を済ませるのが無難です。

以上は2022年(令和4年)の例ですが、年が変わっても特許庁の弁理士試験ページから、その年度の試験公告を見て締切日を確認すればOKです。

  • 締切日はいつなのか
  • 発送か、必着か

以上を確認して、余裕をもって手続きを進めましょう。

免除申請に必要な書類

こちらは特許庁のサイトにも書かれているので、簡単に説明します。

必要な書類は、以下の通り。

提出書類博士修士専門職
1)選択科免除資格認定申請書
2)学位取得証明書または
大学院修了(見込み)証明書
3)大学院成績証明書不要
4)学位論文概要証明書
5)修了要件証明書不要不要
選択科目免除について|特許庁

私の例(修士卒)で説明しますと…

1)『認定申請書』は用紙を特許庁のサイトから印刷し、見本通りに記入するだけなので問題なし。

2)『修了証明書』、3)『成績証明書』も、大学に証明書の申請をするだけでした。

ただし郵送だと往復のやり取りに時間がかかるので、ご注意ください。

  1. 交付願や返送用封筒を送る
  2. 大学側で証明書を準備
  3. 返送用封筒に入れて発送

と3ステップあり、②で時間がかかる恐れもあるので、余裕を持った申請が大事です。

大学によってルールが異なりますので、必ず確認してくださいね。

学位論文概要証明書の準備

そして最も手こずったのが、学位論文概要証明書の準備です。

指導教官に依頼するとかハードル高すぎ…

もる

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と思ってましたが何とか書類を揃えられたので、その流れを紹介します。

修論を参考に研究概要を作成

まずは修論を引っ張り出してきて、概要作成に取り掛かりました。

ただ筆がノらず2週間ほどかかってしまって、締め切りギリギリになるという。

  • 素人が読んでも分かりやすく
  • 研究の背景と自分の成果を明確に示し
  • 指導教官に迷惑がかからないレベルの記載で
  • A4一枚(1,000字程度)に収める

以上の難易度が激高だったのが原因です。(結構しっかり添削してくださる方なので)

学会発表のアブスト以上に気を遣いましたし、研究内容を思い出すところからだったので、時間もかかりました。

指導教官にメールで連絡

論文概要完成後は、そのwordファイルを添付して指導教官に連絡。

久々だったので

  • 挨拶と簡単な近況
  • 弁理士を目指す理由
  • 選択科目免除で論文概要に押印が必要なこと

などを述べた上で、論文概要の確認をお願いしました。

一部表現の修正がありながらも、よく書けていると評価いただき一安心です。

印刷済みの書類を発送

OKを貰った論文概要を印刷し、返信封筒とともに指導教官あてに発送しました。

指導教官には押印をお願いすればOKですが、押印(記名押印の略)と捺印(署名捺印の略)は意味が異なることは知ったうえで依頼しましょう。

記載例には、以下のように書かれています。

<「学位論文概要証明書」記載における注意事項>
5.指導教授等の証明(記名押印)があるものを提出する。

学位論文概要証明書(記載例)

記名押印というのは「印刷された氏名+印鑑」で、(署名)捺印は「自筆の氏名+印鑑」です。

論文概要証明書は記名押印でOKとのことですが、記名よりも署名の方が信頼性が高いので、署名捺印の方が安全かなと今になって思っています。

というのも、返送された書類を見たら、ハンコの一部が滲んでて焦ったからです。

署名もあれば、それでカバーできるかなと。(滲んでるのでもう一度お願いします、とは言いづらかった。無事認定されたから良かったけど)

記名押印済みの書類を受け取り申請

指導教官が返送した書類を受け取り、

  • 選択科免除資格認定申請書
  • 大学院修了証明書
  • 大学院成績証明書
  • 学位論文概要証明書

これらを全て同封し、特許庁あてに発送。

学位論文概要証明書を受け取ったのが2/25(金)だったので、かなりギリギリでした。

申請時には「免除資格認定申請書在中」と朱書きし、特定記録、簡易書留または書留にて送付する必要があるのでご注意ください。(参考:申請方法|特許庁

選択科目免除資格認定通知書はいつ届く?

2/25(金)に発送した申請書に対して、免除認定は3/27(日)に到着しました。

いつ届くのかとヤキモキしていたのですが、令和4年度願書受付の締切日4/8(金)に間に合うように届いたので、一安心です。

ちなみに認定通知書はこんな感じ。

今度はこれを願書に添付して、弁理士試験に申し込む必要があるので、ホントてんやわんやです。

ちなみにここでも注意が一つ。

願書にはこの原紙ではなく、コピーしたものを添付してください。

こちらは認定通知書に同封の注意事項ですが、「この通知書の写しを添付してください」と書かれています。

というのも原紙を送ってしまうと、次年度の弁理士試験で免除申請したい場合に、認定通知書が手元にないことになってしまうからです。

原紙は大事に保管しておき、受験のたびにコピーを送る」のが、選択科目免除の申請方法になります。

学位に基づく論文選択科目免除まとめ

論文選択科目免除まとめ
  • 弁理士試験の試験公告で締切日を確認
  • 指導教官への依頼は早めに
  • 記名押印と署名捺印の違いに注意
  • 免除認定通知書は3月末に到着
  • 認定通知書はコピーを使う

以上、学位に基づく論文選択科目免除の大変さと注意点の紹介でした。

弁理士試験について、手続きに関する情報はなかなか見つからなかったので、備忘録としてまとめてみました。

本記事が、選択科目免除で悩んでいる方のお役に立てば幸いです。

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キャリアに悩んだ末、知財の道を選んだ元機械エンジニア。今は弁理士試験に向け勉強中。新米知財部員の日々を綴っています。

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